先日、エコビレッジ国際会議に出席して、21世紀の新たなる息吹を感じてきました。
http://ecovi.begoodcafe.com/
会場は、エコビレッジに関心のある人たち、エコビレッジやパーマカルチャーを実践
している人たち、それを目指している人たちが集まって、様々な意見交換がなされま
した。
21世紀は、大地に還ることによって、人生の意味や産業の構造、精神や物質的な
価値観が大転換する時代となるでしょう。
そもそも我々の文明社会は地球の歴史や自然生態系の持つ悠久なる蓄積からすれば、
一瞬の輝きをみせた泡沫のものかもしれません。人間は成功体験からなかなか離れ
られません。誰でもそうですから、これを恥ずることはありません。
しかし、間違いに気付いたり、現状の方向感に違和感を感じだときには少し留まる
勇気も必要です。すぐ方向転換は無理でも、まずは、少し止まって周囲を見回したり、
これまでの足跡をたどったりすることによって、少し呼吸が楽になって、冷静にな
ってきます。
暴走する文明社会や疲弊する経済優先主義の社会を離脱するのは容易ではありません
が、不可能ではありません。
エコビレッジは、そのひとつのオルタナティブを示しています。
健康に良く、環境にも良い、自分も楽しいし、他人も幸せにできる、そんな生き方
があれば、社会は変わっていくかもしれません。
エコビレッジはそのひとつの方向を示してくれています。
エコビレッジを実践している人々は、みんなとてもハッピーな表情をしていました。
きっと好きなことを実現する喜びを味わっているのでしょう。
まだまだ経済的にも自立していくのは難しい産業かもしれませんが、みんなで支え
あえば、自立も夢ではありません。何といっても地産池消ですし、自給自足が原点
ですから、持続可能な世界には一歩づつ近づいている実感を得られます。
好きを仕事にする
なかなかできないことですが、大地に根付いた生活の中でもうひとつの天職をみつ
けていく生き方が注目されています。
塩見直紀さんの「半農半X」の考えです。
http://www.towanoe.jp/xseed/
Xは自分の好きな仕事(活動や趣味からスタートでも良いでしょう)をいれます。
すばらしい考え方だと思います。
作家の星川淳さんが「半農半著」と自らを称したことから塩見氏はこの概念を
つくってきたと述べておられます。
屋久島で農業や林業をしながら著述業をするという生活はとても21世紀的な生き方
かもしれません。
すばらしい発想の転換です。
また、ソフィアバンクの田坂広志さんは、人生の成功について素敵なメッセージを
述べています。
http://www.hiroshitasaka.jp/tayori/tayori169.pdf
人生において、悔いのない人生とは何か?
田坂広志さんは、成功の定義をもう一度考えるよう示唆をしています。
そして、いくつかの著書で、それは、「人間的な成長」を感じる人生だと
述べています。
是非、
「未来を拓く君たちへ-我々はなぜ志を抱いて生きるのか」(PHP文庫)
という著書もご覧になってください。
本当に悔いのない人生とは、「人間としての成長」を目指す人生のことです。
手段を選ばない成功ではなく、自分の尺度からみて成長をとげていくことが
できたといえる人生こそが、真の「成功」ということなのでしょう。
成功を定義することなしに、成功はなく、未定義な成功をがむしゃらに追い
求めることが現代社会の閉塞感を招いているように思えてなりません。
ソーシャルビジネスやコミュニティビジネスが台頭してきた背景にも、こうした
真の成功を問い直す社会的な風潮や個人の意識変革が広がってきたことがあると
えるでしょう。
時代は、志を求めています。
人間的な「成長」の根底は、崇高な「志」の存在にあるといえるでしょう。
このような混沌とした時代だからこそ、熱い「志」を持った人々が生まれて
くるのです。
明日は、「成功」ではなく、自分にとっての「成長」とは何かを考えて行動して
みましょう。
2010年6月2日水曜日
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